大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和28(オ)1111 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人等の負担とする。

理 由

上告代理人徳永平次の上告理由について。

元来民法七〇八条が不法原因のため給付をした者にその給付したものの返還を請

求することを得ないとしたのは、かかる給付者の返還請求に法律上の保護を与えな

いというだけであつて、受領者をしてその給付を受けたものを法律上正当の原因に

よるものとして保留せしめる趣旨ではないのであるから、受領者においてその給付

を受けたものを給付者に任意返還することは勿論、当事者間において、右給付の返

還を契約することは、同条の禁ずるところにあらず、又民法九〇条に反するもので

ないとすることは既に当裁判所の判例とするところである。(昭和二四年(オ)第

一七九号、同二八年一月二二日言渡第一小法廷判決)

今本件についてみるに、仮りに、本件売買契約が統制法規に違反するが故に無効

であり、右売買代金の前渡は、不法原因給付であるがため給付者からその返還を請

求し得ないものであるとしても、本件においては、売買物件の引渡期日後において

当事者双方合意の上売買契約を解除し、さきに、被上告人から上告人に支払つた代

金を被上告人に返還することとしたというのであるから、右返還請求の違法でない

ことは前記判例の趣旨に従つて、明らかである、論旨は理由がない。

その余の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」

(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法

にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

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最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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